障害年金は病院を転々としていても申請できる?転院を繰り返している場合の注意点と「初診日」の証明方法

「先生との相性が合わなくて、いくつか病院を変えてしまった」「治療が長引く中で、セカンドオピニオンを求めて転院を繰り返した」「引っ越しや転職のたびに、通うクリニックが変わっている」

精神疾患を抱えながら長い間治療を続けている方の中には、このように複数の医療機関を受診してきたという方が数多くいらっしゃいます。いざ障害年金の申請を考えたとき、「病院をコロコロ変えていると、審査に不利になるのではないか?」「書類を集めるのが大変すぎて、自分には無理かもしれない」と不安を感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、結論から申し上げますと、転院を繰り返していること自体が、障害年金の審査においてマイナス評価になることはありません。重要なのは、病院が変わっていることそのものではなく、「過去の治療の履歴をしっかりとつなぎ合わせ、証明できるか」という点にあります。

今回は、転院歴が多い方が障害年金を申請する際に直面しやすいハードルと、それを乗り越えるためのポイントについて、社会保険労務士の視点から解説します。

転院が多いと何が大変になるのか?

障害年金の手続きにおいて、転院回数が多いことが影響するのは、主に「書類集め」と「病歴の整理」の2点です。

1.「初診日」の証明(受診状況等証明書)

障害年金では、その病気のために初めて医師の診察を受けた日(初診日)がいつであるかを証明する必要があります。原則として、「一番最初に行った病院」で「受診状況等証明書」という書類を書いてもらう必要があります。もし、現在通っている病院が5軒目だとすると、今の主治医にお願いする「診断書」とは別に、1軒目の病院に行ってこの証明書を依頼しなければなりません。

2.病歴・就労状況等申立書の作成

ご自身で作成する「病歴・就労状況等申立書」には、発病から現在までの経過を記載する必要があります。転院を繰り返している場合、A病院に通っていた期間、B病院の期間、C病院の期間・・・と、それぞれの病院ごとに「通院頻度」「治療内容」「その時の日常生活や就労の状況」を思い出して書かなければなりません。病院の数が多いほど、この記憶の整理作業が膨大になりがちです。

「最初の病院」と「今の病院」をつなぐ

転院が多いケースで最も重要なのは、「初診の病院」から「現在の病院」までの流れが途切れていないかを確認することです。

ケースA:紹介状を持って転院している場合紹介状(診療情報提供書)を持って次の病院へ移っている場合は、比較的スムーズです。カルテに紹介状の記録が残っていれば、前の病院での受診日や経過が証明できるため、初診日が特定しやすくなります。

ケースB:ご自身の判断で転院し、紹介状がない場合この場合、それぞれの病院での記録が独立してしまっている可能性があります。もし、1軒目の病院がすでに廃院していたり、カルテが保存期間(5年)を過ぎて破棄されていたりすると、初診日の証明が難しくなることがあります。その際は、2軒目の病院で「1軒目の病院に通っていたこと」が記載されたカルテの開示を求めたり、診察券やお薬手帳などの参考資料を探したりと、証拠を積み上げる作業が必要になります。

今の主治医に「過去の苦労」は伝わっていますか?

転院を繰り返している方特有の悩みとして、「現在の主治医との付き合いが短く、過去の重い症状を知ってもらえていない」ということがあります。

今の病院に通い始めてまだ半年、というような場合、医師はあなたの過去10年にわたる闘病生活や、働けなくて苦しんだ時期のことを詳細には知りません。その状態で診断書を作成してもらうと、現在の比較的落ち着いている状態だけを見て、「症状は軽い」と判断されてしまうリスクがあります。

これを防ぐためには、診断書を依頼する前に、これまでの経緯や、過去にどれほど日常生活に支障があったか、そして現在もどのような配慮が必要かなどをまとめたメモを渡し、医師にしっかりと理解してもらう工夫が必要です。

診断名が変わっていても大丈夫?

「前の病院では『うつ病』と言われたが、今の病院では『双極性障害』と診断されている」このように、転院の過程で診断名が変わることは精神疾患ではよくあることです。

障害年金の審査では、「現在の症状」と「その原因となる病気」が対象となります。途中で診断名が変わっていたとしても、その病気が精神疾患の範疇であり、初診日から現在まで継続性があると認められれば、問題なく申請できる可能性が高いです。「病名が変わったから初診日がリセットされる(今の病院に来た日が初診日になる)」ということは原則としてありませんのでご安心ください。

複雑な履歴整理こそ、専門家のサポートを

転院を繰り返している方の申請手続きは、1つの病院だけに通い続けている方に比べて、どうしても手間と時間がかかります。複数の病院に連絡を取って書類を手配したり、記憶をたどって整合性の取れた申立書を作成したりするのは、体調が万全でない中では非常に大きな負担となるでしょう。

「昔のことはよく覚えていない」「前の病院に行くのは気が引ける」「初診の病院がもうなくなってしまった」

こうした理由で申請をためらっている方は、ぜひ一度、障害年金を専門とする社会保険労務士にご相談ください。私たち専門家は、複雑になった通院歴を一つひとつ紐解き、必要な証明書を代理で取得したり、あなたの代わりに病歴を整理して書類を作成したりするサポートを行っています。

転院の多さは、あなたがそれだけ「良くなりたい」とあがいてきた証拠でもあります。その治療の歴史を無駄にせず、正当な評価を受けて年金を受給できるよう、私たちが全力でお手伝いいたします。まずは無料相談で、あなたのこれまでの通院状況をお聞かせください。

 

 

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