脊髄空洞症の障害年金受給は可能?条件と申請方法を解説

脊髄空洞症は、脳や脊髄に体液が溜まることで神経機能に影響を及ぼす可能性のある疾患です。
この病状が進行すると、日常生活や社会生活を送る上で様々な困難が生じることがあります。
そのため、将来への経済的な不安から、公的な支援制度である障害年金に関心を抱く方もいらっしゃるでしょう。
今回は、脊髄空洞症と診断された方が障害年金を受給できる可能性や、そのための申請について解説します。
脊髄空洞症で障害年金は受給できるか
障害の状態による受給可否
脊髄空洞症で障害年金を受給できるかどうかは、病名そのものだけでなく、具体的な障害の程度によって判断されます。
障害年金の認定においては、病気や怪我によって「どの程度、日常生活や仕事に支障が出ているか」が重視されるためです。
例えば、片方の腕の筋力が著しく低下している場合、障害等級3級または障害手当金に該当する可能性が考えられます。
また、疼痛(痛み)についても、原因や症状によっては認定の対象となることがあります。
重要なのは、ご自身の症状が、身体機能の低下や日常生活における制限の程度として、どのくらい深刻であるかを客観的に示すことです。
脊髄空洞症の障害年金受給例
実際に、脊髄空洞症が原因で障害年金を受給できた事例があります。
キアリ奇形に起因する脊髄空洞症を患う50代の女性が、障害厚生年金3級の認定を受けたケースが紹介されています。
この方は、頭痛や眩暈の症状に始まり、手術後も左下肢の麻痺が悪化し、杖なしでは歩行が困難な状態でした。
当初、医師が診断書の作成に消極的でしたが、専門家(社会保険労務士)の介入により、診断書の取得と適切な申請が行われ、結果として年金受給に至りました。
この事例は、重度の身体機能障害がなくても、一定の障害状態と認められれば障害年金を受給できる可能性を示唆しています。

脊髄空洞症の障害年金受給条件と申請
障害等級の判断基準
障害年金の等級は、原則として1級、2級、3級のいずれかに判定されます。
等級の重さは、症状の程度や日常生活能力、労働能力の制限の度合いによって決まります。
障害基礎年金では1級と2級、障害厚生年金では1級、2級、3級が該当します。
どちらの年金制度が適用されるかは、病気や怪我で初めて医師の診療を受けた日(初診日)が、国民年金加入期間中か、厚生年金(会社員など)加入期間中かによって決まります。
障害厚生年金では、障害基礎年金よりも軽い等級(3級)も対象となるため、厚生年金に加入していた期間がある方は、より広い範囲で受給の可能性があります。
初診日と保険料納付要件
障害年金を受給するためには、いくつかの基本的な要件を満たす必要があります。
その一つが、障害の原因となった病気や怪我について初めて医師の診療を受けた日、すなわち「初診日」です。
この初診日において、一定期間以上の国民年金保険料の納付(または免除)が必要となります。
また、初診日から原則として1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)以降に、障害の程度が一定基準以上であることが求められます。
診断書作成の注意点
障害年金の申請において、診断書は極めて重要な書類です。
特に脊髄空洞症の場合、症状の進行や、それが日常生活や労働能力に与える影響を正確かつ詳細に記載してもらう必要があります。
医師が診断書作成に消極的になる背景には、過去の医療行為との関連性を懸念している可能性なども考えられます。
このような場合、単に診断書を強く求めるのではなく、医師との良好な関係を保ちながら、必要に応じて検査結果の提示や、障害年金制度における診断書の重要性について丁寧に説明するなど、丁寧なコミュニケーションが肝要です。
記載内容については、症状の客観的な所見(神経学的検査の結果、筋力低下の程度、可動域制限など)や、日常生活における具体的な支障(歩行困難、手指の巧緻性低下、痛みによる作業制限など)が、等級認定の基準に沿って詳細に記述されているかを確認することが重要となります。
申請にあたっては、専門家への相談も有力な選択肢となります。

まとめ
脊髄空洞症で障害年金を受給できる可能性はありますが、その可否は病名だけでなく、具体的な障害の程度、初診日、保険料の納付状況など、複数の要因によって総合的に判断されます。
日常生活や仕事への支障の程度を客観的に示し、障害等級の基準に合致することが求められます。
申請にあたっては、正確な診断書を取得することが不可欠であり、医師との丁寧なコミュニケーションや、専門家である社会保険労務士への相談も有効な手段となります。
ご自身の状況を正確に把握し、適切な準備を進めていくことが大切です。


