【障害年金と仕事】働いているともらえない?制度の仕組みと令和6年の変化

【障害年金と仕事】働いているともらえない?制度の仕組みと令和6年の変化

「障害年金を申請したいけれど、仕事をしていると受給できないのでは?」「就職したら年金が止まってしまうの?」

障害年金を検討されている方の中には、このような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、障害年金の制度は「仕事をしている=不支給」と単純に決まるものではありません。むしろ、仕事を続けるための支えとして機能する側面も持っています。

今回は、仕事と障害年金の関係について、制度の仕組みや実際の受給事例、そして2024年(令和6年)の新しい動きを整理して解説します。

1.働きながら受給できる「3級」という枠組み

障害年金には、国民年金の「障害基礎年金(1級・2級)」と、厚生年金の「障害厚生年金(1級〜3級)」があります。

特に注目したいのは、障害厚生年金にある「3級」です。3級は、日常生活にはほとんど支障がなくても、労働に著しい制限を受ける状態などが対象となります。そのため、実際に働きながら受給している事例も多く存在します。

【働きながらの受給が想定される事例】

  • うつ病や双極性障害:仕事に制限がある状態で、障害厚生年金3級や障害基礎年金2級を受給したケース
  • 身体的な障害:両眼緑内障や、人工股関節(左大腿骨頸部骨折)などで3級を受給したケース

このように、病気やケガで仕事に制限が出ている場合、働きながらでも年金が生活の支えとなる可能性があります。

2.「仕事の有無」が問われないケース

障害の種類によっては、就労状況にかかわらず、客観的な身体の状態や処置の事実をもって認定されるものがあります。

  • 人工関節・人工骨頭
  • 人工透析
  • 人工肛門(ストマ)

これらの方々は、適切な処置を受けながら仕事を続けているケースが多いですが、制度上、障害年金の対象となる可能性があります。この場合、「働けているかどうか」よりも「その処置を受けている事実」や「検査数値」が重視される傾向にあります。

3.知っておきたい「診断書」と「実態」のズレ

働きながら申請、あるいは更新をする際に、制度上の課題として知っておくべき点があります。それは「書類上の評価」と「生活実態」の乖離(かいり)です。

医師が作成する診断書において、仕事ができているという事実があるために、実際の症状や生活での苦労よりも「軽く」書かれてしまうリスクが指摘されています。しかし、実際には以下のような状況で働いている方も多いはずです。

  • 職場で休憩時間の調整や業務量の軽減など、多大な配慮を受けている
  • 仕事以外の時間は疲労で横になっており、家事や日常生活がままならない
  • 短時間勤務でなんとか就労を維持している

制度上、こうした「労働や日常生活の実態」が正しく評価されるかどうかが、適切な等級認定の鍵となります。

4.令和6年10月からの変化:短時間労働者の社会保険拡大

仕事と年金の関係において、非常に重要な変化がありました。令和6年(2024年)10月から、短時間労働者に対する社会保険(厚生年金・健康保険)の加入要件が拡大されました。

これにより、障害を持ちながら短い時間で働いている方でも、要件を満たせば厚生年金に加入することになります。これは以下のメリットにつながる可能性があります。

  1. 将来の保障が手厚くなる:厚生年金に加入することで、将来受け取る老齢年金が増えるほか、万が一障害の状態が悪化したり別の病気になったりした際、より対象範囲の広い「障害厚生年金」が適用される可能性があります。
  2. セーフティネットの強化:無理にフルタイムで働かなくても、短時間勤務で社会保険の恩恵を受けられる環境が整いつつあります。

5.就労支援と年金は「両輪」のサポート

現在、就労を支援する現場でも、障害年金は重要なテーマとなっています。知識がない中で間違った認識をしてしまっているケースもありますので、正しい理解のもと支援を受けていくことが求められます。

不明な点があれば、我々社会保険労務士に相談することも検討いただければと思います。

まとめ

「働いているから障害年金は無理」とあきらめる必要はありません。

  • 働きながら受給できる等級(3級など)がある。
  • 人工関節などは就労の有無にかかわらず対象になり得る。
  • 短時間労働でも厚生年金につながる制度に変わってきている。

ただし、申請や更新の際には、「働けている」という事実だけでなく、その裏にある「配慮の内容」や「日常生活の困難さ」といった実態が、診断書等の書類に正しく反映されているかが重要です。制度を正しく理解し、就労と年金をうまく組み合わせて生活の基盤を整えていきましょう。

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